断章のグリム 特別企画
いよいよ後半戦に向かう断章のグリム

コミック担当 コミック版の『灰かぶり』は、いよいよクライマックスに向けて急展開していくんですが、その前にいよいよ童話の解釈……配役が誰か、というシーンが入ります。ただ、ちょっと難航していまして。
松坂 さっきも言ってましたけど、文章が想起してくる圧倒的なもの……それぞれの読者が思い浮かべるものと、限定された誌面の中で私が描いたものでしかないものとを比べたら…読者が思い浮かべるものが全然強いと思うんですね。文章から浮かぶものをどれくらい絵に落とし込めるかは、いつも四苦八苦しています。
和田 『グリム』の面白いところのひとつって、配役※18を探るというのがありますからね。
コミック担当 初めて読んだ時は、童話の解釈があまりにも面白くって2回読み直したんですよ。まるで推理物の「見立て殺人」みたい……って言うのも変かもしれませんが。
甲田 かつて「ミステリチャンネル」※19から…。
和田 あ、そうそう。推理ものの番組みたいなんですが、前にケーブルTVの出演オファーがあったんですよ。誰が童話の何の配役になるか、というのは推理ものの「見立て殺人」のように楽しんでいただいていいかと思います。
松坂 毎回蒼衣の〈断章〉で解決するわけではない、というのもすごいですよね。本来なら探偵役のような人物が最後に事件を解決するんでしょうが……。
甲田 そこは……ひねくれ者なんで(笑)。毎回それだと思われたら癪だという(一同笑)。ヒーローものではない、というのが意識にあるんで。
コミック担当 いろいろ貴重なお話をありがとうございました。コミック版はいろいろ構成を変更させていただいているので、今回の対談はまず、お叱りを受けるんじゃないかと……。
松坂 何から謝ろうかと(笑)。
甲田 私は……自分のやっていることには興味があるけれど、人のやることにはあまりゴチャゴチャ言わない口です。
和田 甲田さんは自分の文章をいかに突き詰めていくか、そこに注力しているので、あとはもうお任せします、みたいな。
コミック担当 いよいよ単行本も発売ですので、この勢いで頑張りたいと思います。
松坂 これからもよろしくお願いいたします。

心霊事故で銀鈴学院高校に転校してきた柳瞳佳だが、初日から大人しめの少女四人組のおまじないに巻き込まれてしまう。そして少女一人が、忽然と姿を消して──。

《イラスト/ふゆの春秋》

2017年1月10日発売
定価未定
電撃文庫(株式会社KADOKAWA)